モキチのブログ 「ひと皿」の向こう側

PROFILE

「モキチ」ことライター齊藤素子。銀座・泰明小学校卒業。OLやギャラリー勤務を経て、
1995年『VERY』創刊時にライター稼業を始める。食や旅のページを中心に雑誌やWEBで活躍中。
その一方で、世界初の腰痛専門WEBマガジン『腰痛ラボ』では編集長を務める。

インド料理の概念が変わる“モダン インディアン キュイジーヌ”/ひと皿の向こう側

Update : 2020.01.17
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今回ご紹介するのは昨年11月、銀座にオープンしたモダンインディアンキュイジーヌをコースで楽しむことができるSPICE LAB TOKYOです。

こちらのオーナーである実業家のカプール夫妻は、大好きな東京を訪れるたびに残念に感じていたことがありました。それは、“東京は世界中の最先端の料理が味わえる街なのに、なぜかインド料理だけは時が止まっている……”ということ。

そこで、インドの今“Real India ,now”を、料理を通して感じてもらう場としてオープンさせたのがSPICE LAB TOKYOなのです。(*レストランの上階にはバースペースTHE GREY ROOMもあります。)

そんなオーナーの思いを形にするのは、インドから召喚されたインド人シェフ、デジャス・ソヴァニ氏。34歳の若さですが、インドのホテルThe OberoiAMANでは副料理長を務め、あのnomaでも修行したという新進気鋭のシェフなのです。

料理は、すべての皿にインドを象徴するテーマを持たせたコーススタイル。

インドの文化と料理の多様性を表した8テーマは、1皿目から順に、<テンプル(寺院)><ストリート(街路)><コースト(湾岸)><ヴィレッジ(農村)><アーユールヴェーダ(浄化)><ホーム(自宅)><ロイヤル(王族)><フェスティバル(祭り)>。ランチは3種、ディナーは2種のコースがあります。

誌面でご紹介したのは、8テーマ810品のコース「Enchanting Spice(インチャンティング スパイス)」からのお料理。まずは、コース2皿目に供される<テーマ:ストリート(街路)「Pride(誇り)」>です。
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インドの東西南北と心地よさをイメージした陶器のホワイトピローに並ぶのは、インドで親しまれている5つの屋台料理。モダンで独創的に表現されたお馴染みのストリートフードが私たちをインドへと誘ってくれます。インドのさまざまな街の賑わいを感じます。
中央は「ゴルガッパ」、右上から時計回りに「ケバブ」、「チャート」「ドクラ 」「サモサ」。小さな5品それぞれにスパイスの多様な味わい、異なる食感、豊かな風味があります。

それぞれを簡単に説明しましょう。

ゴルガッパ:小麦粉を使った生地を油で揚げて球体にしたものに穴を開けて、中に液体を入れたもの。甘いタイプと酸っぱいタイプがあるそうです。スナックと飲み物の合体!?
パクリと一口で食べます。
→こちらの中身はウメ、ミリン、ミント、レモンのジュース。噛むと甘酸っぱい液体が口の中に溢れます。爽やかな味わい。

ケバブ:ひき肉を形成して焼いたもの。
→こちらは鴨、プルーン、マンゴーパウダーを使用。とても軽やかな仕上がり。

チャート:ほうれん草とヨーグルトを使ったスナック。
→ほうれん草の代わりにシソを使い、タマリンドチャツネ、ザクロで華やかに。

ドクラ: 豆粉を使った蒸しパン。
→ひよこ豆の蒸しケーキにエビとワサビ、唐辛子をのせたごちそうスナックに。

サモサ:ジャガイモや豆、ひき肉などを使った具材を小麦粉で作った三角形の衣に包んで揚げたもの。→こちらの中身はバターチキン。皮は薄めに仕上げられサクサク感も心地よい。

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3皿目は<テーマ:コースト(湾岸)「Bay(ベイ)」>。
スパイスマリネしたエビ、赤キャベツで包んだロブスターと香り豊かなトマトライス、
クミンで香りづけしたポテト、ニラと長ネギのマスタードソース。
7,500キロあるというインドの西海岸をイメージ。その沿岸の特産物であるシーフード、マスタード、ポテトを使い、ニラと長ネギのソースで日本との融合をイメージ。日本ではおなじみの食材、ニラと長ネギのソースの優しい味わいと豊かな香りにちょっとびっくり。シーフードにあう!

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メインディッシュの<テーマ:ロイヤル(王族)「Royalty(ロイヤルティー)」>。
かつてインドの王族のために、高価で貴重な食材を用いて作られた宴の料理をモダンに再現。ビリヤニとクルチャと一緒にいただきます。

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タンドリー窯でややレアに焼き上げたタンドリーラムロイン、12種類のスパイスを使ったサフランシチュー、タンドリーナスのムース(白っぽいソース)、ビーツのピクルス、ガーリックスピナッチ。金箔は王族の食事をイメージ。

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4種のクルチャ。チキンとチーズのクルチャ、ズワイガニとニラのクルチャ、ウニのクルチャ、バタークルチャ。内容は日によって変わります。

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(手前から)クルチャと一緒に味わう小豆の煮込み、ビリヤニの味変にヨーグルトとキュウリのライタとカレーソース。

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チキンのビリヤニ。スパイスを入れて香りを移した水を使って炊いた米が78割ほど炊き上がったときに、ヨーグルトでマリネしてひと晩おいてからこちらも78割火を入れたたチキンを合わせて炊き上げます。おかわり自由!

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デジャス・ソヴァニ シェフがもっともよく使う料理道具のひとつが“濾し器”だそうです。とても滑らかで繊細なソースは、スパイスと食材に対する深い知識と丁寧な仕事で生まれるのですね。

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そしてデザートはこちら。<テーマ:フェスティバル(祭り)「Bitter & Sweet Symphony(ビター&スイートシンフォニー)」>。
人生には酸いも甘いもあるのだ、という隠しテーマも。
ターメリックとナツメグのアイスクリーム、バニラビーンズのカスタード、酸味はベリー、苦味はエスプレッソなど、とても複雑な味わい。スプーンで縦方向に一気にすくってさまざまな味を楽しみます。

スパイスを使ったカクテルもお勧めです。食中酒としても是非。

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右・「カレーネグロニ」(¥1,600)ジン・スイートベルモット・カンパリ・カレーリーフ。カレーリーフを漬け込んだジンをベースにした、スパイスが香るカクテル。
左・「ムンバイトニック」(¥1,600)自家製オレンジビター・アニス・クローブ・シナモン・ローズマリー・トニックウォーター。とても爽やかで、最後にふっとハーブが香ります。

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デジャス・ソヴァニ シェフ。
「お客様に楽しんでいただくこと、料理からさまざまなインスピレーションを得ていただくことが大切だと考えています。日本の食材も魅力的で、わさび、一味唐辛子も使っています。冬から春へと季節で変わる食材も楽しみです」

日本人にとってのスパイスは、アクセントや強調するものというイメージが強いと思いますが、シェフ曰く「スパイスとはバランスをとるもの、調和させるもの」。スパイスとはあくまでも食材の甘みや風味を引き出すもので、スパイス同士も調和し、私たちの体にも調和していくのだと。シェフの料理は、時にはスパイスらしい強さを感じるものもありますが、決してスパイスだけが際立ったり、舌に残ることはありません。そして、食べ終わったときにはシェフの言葉の意味を実感することになるでしょう。

インドを旅する気分になれる見事なコース料理で堪能する“モダン インディアン キュイジーヌ”。インド料理の伝統と今、そして未来を確かめに出かけませんか。

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インドの国鳥である孔雀の羽の色“ピーコックブルー”とテーブルに配されたテラコッタのグラスが映えるモダンでエレガントなインテリア。

 

【SPICE LAB TOKYO】
東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 10階 ☎03-6274-6821
11:3015:0018:0022:30L.O.21:00)無休
提供はコースのみ。ランチ/¥3,300¥4,840¥6,600、ディナー/¥14,300¥8,800(すべてサ込、税別)それぞれのコースにベジタリアンバージョンあり。
20191116OPEN

撮影/牧田健太郎 取材・文/齊藤素子 編集/川原田朝雄

 

 

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