連載&レコメンド

【LIFESTYLE】料理家 こてらみやの「ベランダと暮らす」vol.22

Update : 2021.12.12
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オリーブの収穫とオリーブの砂糖漬け

青空が広がる冬の日は、ベランダ日和。お天道様の暖かな日差しを背中に受けながらオリーブの収穫をしました。

我が家には、セントキャサリンとネバディロブランコ、シプレッチーノという3品種のオリーブの木があるのですが、今年はセントキャサリンが大豊作! 鈴なりに実をつけてくれました。

収穫は、エプロンの両裾をウエストの紐に縛り付けて大きなポケット状にし、摘み取った実をポイポイと入れていきます。

ある程度貯まったらボウルに移してを繰り返して…、

全部で1kg近く穫れました。つやつやできれい!
これだけたくさん収穫できたら、ちょっと手間がかかっても、おいしく食べたいと誰もが思うもの。収穫後からどんどん酸化が始まるので、すぐに塩水漬けの仕込みに入ります。

青いオリーブは、そのままでは渋すぎて食べられませんから、苛性ソーダ溶液(劇物扱いの苛性ソーダは薬局で身分証明書などがないと購入できません)に浸けてアク抜きしたのち、塩水漬けにします。この仕込み方は、ちょっと手間がかかるのでこちらでは割愛させていただくことにして、熟して黒くなったオリーブの砂糖漬けをご紹介しますね!

まず黒く熟したオリーブをきれいに洗って水気を取ります。

 

オリーブの種抜き器があれば、このように種をスポン!と抜いていきます。種抜き器なんて無いよ〜! という場合は、アボカドの種を外すときに、タネの周りにぐるりと切れ目を入れますよね? あの要領で十文字に切れ目を入れるだけでもOK

清潔な瓶にきび砂糖(黒糖など精製されていない砂糖がおすすめです。蜂蜜やメープルシロップでも)とオリーブを交互に入れていきます。

ちょっときび砂糖が多めですが、少なすぎるてカビが生えるよりはいいと思います。常にオリーブの表面に砂糖がしっかり付いているようにしましょう。数日経つと、オリーブの果汁が浸透圧によって染み出してくるので、1日2〜3回瓶を振って2週間ほどすると…、

あ〜ら不思議、黒オリーブのシロップ漬けができあがりました!

なんだか失敗してシワシワになった黒豆みたいですね。

割ってみると、しっかりときび砂糖が染み込んでシロップ煮のようです。アク抜きが必要なオリーブなのに、砂糖につけただけで本当においしいの? と思われるかもしれませんが、黒く熟したオリーブはアクが少ないので、きび砂糖で漬けることによって、渋みがコクのように感じられておいしくなるのだと思います。もちろん、好みが分かれるとは思いますが、今のところ4人にお味見をしてもらったところ、4人とも「おいしい! これ、オリーブ? 言われないとわからないー!」と大好評でした。
オリーブの木はあるけど、ちょっとしか生らないからいつもそのままにしているという方がいらっしゃったら、騙されたと思って、ぜひ! お試しください。

 

こてらみや
料理家。毎日食べたくなるような、素材の持ち味を生かしたシンプルな料理を得意とする。休日の楽しみは、ベランダで収穫した果物やハーブを使ってびん詰めを仕込むこと。著書に「魔法のびん詰め」(三笠書房)など。instagramアカウントは @osarumonkey

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