寒くなると、恋しくなるのは熱々のスープ。でも、いざ作ろうと思うと意外と面倒なもの。忙しい毎日にやさしく寄り添う、簡単に作れて食べごたえのある〝新しいスープ〟を料理研究家 上田淳子さんに提案してもらいました。
いつものフライパンで作る、新しいスープ
フランスなどヨーロッパ各国で料理 の修業を積んできた、料理研究家の 上田淳子さん。
上田さんがフランスで教わった料理法の一つに、蒸し煮という調理法があります。
「フランスでは〝エチュベ〟と言われる、少ない水で蒸し煮にする調理法は、食材の旨味を閉じ込め、ふっ くらと仕上がるのが特徴。この調理 法なら、重い両手鍋なんてなくても、 いつものフライパンでスープが作れます。ポイントは必ず肉や魚などのたんぱく質と野菜を組み合わせること。たんぱく質に下味をつけておくと、煮汁に旨味が染み出て味がぼやけません。あえて薄めの味付けにして、仕上げに調整を。そうしておけ ば、煮詰まっても簡単にリカバリーできるので、気負わずに作れます」
豚肉と白菜のドライトマトスープ
〝天然の旨味調味料〟ドライトマトが味の決め手。豚バラ肉に変えてもおいしい!
[ 材料 ](2人分)
豚肩ロース肉(ステーキ用)… 大1枚(150g)、白菜… 500g
ドライトマト… 2個(約10g)、にんにく… 1片、塩…小さじ1/3
水… 400ml、オリーブオイル… 大さじ1、こしょう…少々
[ 作り方 ]
1.豚肉は一口大に切り、塩、こしょうをもみ込む。白菜は芯を除き、3~4cm幅に切る。ドライトマトはかぶる程度の熱湯に5分ほどつけて戻し、湯をきって5mm幅に切る。にんにくは芽を除いて薄切りにする。
2.フライパンにオリーブオイル、1のにんにくを入れて中火にかける。香りが立ってきたら豚肉を加えて表面をさっと炒める。ドライトマト、水、塩小さじ1/2、こしょう少々(各分量外)を加える。
3.ひと煮立ちしたら白菜を加えて蓋をし、弱めの中火で10~15分、白菜がくたっとするまで蒸し煮する。煮汁が少ないようであれば水を適宜足し、塩、こしょう各適量(各分量外)で味をととのえる。
【PROFILE】
上田淳子:料理研究家。スイスやフランスのレストランで修業を積み、現在の道へ。食育の活動も行う。著書多数。新刊は『バターは調味料。ほんの少し使うだけでおいしくなる』(グラフィック社)。
Instagram:@ju.cook
撮影/野口健志 スタイリング/中里真理子 取材・文/高田真莉絵 構成/松本朋子
※2020年2月号の掲載記事より抜粋
【バックナンバー】