寒くなると、恋しくなるのは熱々のスープ。でも、いざ作ろうと思うと意外と面倒なもの。忙しい毎日にやさしく寄り添う、簡単に作れて食べごたえのある〝新しいスープ〟を料理研究家 上田淳子さんに提案してもらいました。
いつものフライパンで作る、新しいスープ
フランスなどヨーロッパ各国で料理 の修業を積んできた、料理研究家の 上田淳子さん。
上田さんがフランスで教わった料理法の一つに、蒸し煮という調理法があります。
「フランスでは〝エチュベ〟と言われる、少ない水で蒸し煮にする調理法は、食材の旨味を閉じ込め、ふっ くらと仕上がるのが特徴。この調理 法なら、重い両手鍋なんてなくても、 いつものフライパンでスープが作れます。ポイントは必ず肉や魚などのたんぱく質と野菜を組み合わせること。たんぱく質に下味をつけておくと、煮汁に旨味が染み出て味がぼやけません。あえて薄めの味付けにして、仕上げに調整を。そうしておけ ば、煮詰まっても簡単にリカバリーできるので、気負わずに作れます」
牛肉とビーツのスープ
[ 材料 ](2人分)
牛こま切れ肉… 150g、ビーツ… 150g
玉ねぎ… 1/2個、セロリ… 1/2本、バター…10g
水… 400ml、塩… 小さじ1/4、こしょう…少々、サワークリーム…適宜
[ 作り方 ]
1.牛肉は食べやすい大きさに切り、塩こしょうをもみ込む。ビーツは皮をむいてチーズ削りなどで粗く削る。玉ねぎは薄切りにし、セロリは繊維を断つように薄切りにする。
2.フライパンにバターを中火で熱し、溶けて泡立ってきたら牛肉を広げて入れる。表面をさっと焼いて色が変わったら一度取り出す。
3.フライパンを再度中火にかけ、1の玉ねぎ、セロリを入れて全体がしんなりするまで2分炒める。ビーツ、水、塩、こしょう各少々(分量外)で味をととのえる。
4.器に盛り、好みでサワークリームをのせ、こしょうをかける。
【PROFILE】
上田淳子:料理研究家。スイスやフランスのレストランで修業を積み、現在の道へ。食育の活動も行う。著書多数。新刊は『バターは調味料。ほんの少し使うだけでおいしくなる』(グラフィック社)。
Instagram:@ju.cook
撮影/野口健志 スタイリング/中里真理子 取材・文/高田真莉絵 構成/松本朋子
※2020年2月号の掲載記事より抜粋