連載&レコメンド

ひと皿の向こう側/デンクシフロリ 後篇

Update : 2021.01.18
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『傳』と『フロリレージュ』が繋がり、
結んで生まれる独創的で魅惑的な「串」の世界

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今回ご紹介しているのは、世界中の美食家や料理人から熱い視線が注がれる2軒、日本料理『傳』の長谷川在佑さんとフランス料理『フロリレージュ』の川手寛康さんのコラボレーションによって誕生した『デンクシフロリ』。
日本を代表する実力派シェフ2人のコラボということで注目が集まるこの店で供されるのは、なんと串料理。
しかも、8皿のコース仕立てで供されます。詳しくご紹介しましょう。

献立はこちら。

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 まずはこれを眺め、思いっきり想像してみてください。もちろん、想像通り……と、いうことには決してならないはず。まずは前篇でご紹介した「ブーダンノワール りんご」がこちら。コースはこのひと皿からスタートします。

 

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豚の血と脂肪を使う腸詰め“ブーダンノワール”。豚の血だし、真っ黒でグロテスクだし、ということで苦手な方も少なくないはず。そんな方でも食べられる、食べられるだけでなく美味しい!と喜ばれるというブーダンノワールのポイントは軽やかさ。

腸詰めのようにぎゅっと詰め込まず、ふんわりと型に入れて蒸し、それにパン粉をつけて揚げた新感覚のブーダンノワールなのです。

その、付け合わせとして定番的なりんごも新感覚。りんごは甘酢に漬けて薄くスライス。りんごのシャクっとした食感が、軽やかなブーダンノワールに合います。旨み、酸味、甘み、辛み(和がらし)のバランスが絶妙の美しいひと皿の登場で、続く串料理への期待が高まります。

そして、2皿めがこちら、青魚と鶏レバーという驚きの組み合わせの「いわし レバームース」。 

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10年ほど前、二人のシェフのコラボイベントで生まれた組み合わせで、『デンクシフロリ』オープンのきっかけになったといえるひと皿。

「二人のコラボレーションの原点ともいうべきストーリーが込められた、とても大事にしているメニューです。」(料理長・森田祐二さん)

味噌、ネギ、生姜を加えてつみれにして、炭火でじっくり焼き上げたイワシと、塩昆布とレモンのパウダーを振りかけた鶏レバームース。まずは単体で味わってから次は一緒に。単体とはまったく違う味の世界が広がります。レバームースの塩昆布がイワシにムースを寄り添わせ、レモンパウダーのほろ苦さがさまざまな味わいをまとめて引き締めてくれます。

そして、4品目に供されるのがこちら「がんも キャロットラペ」です。

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がんもは、水切りした豆腐のみを使用。成形して揚げて、赤いパウダー(胡麻、鰹節、七味、パプリカパウダー)を振りかけ、塩漬けにして発酵させた白菜を使ったマヨネーズがのせられています。なんだかとても可愛らしい。

キャロットラペ、キャロットはみかんでマリネしてタイム、クミンを加えてあります。

「『形はユニークで新しい味なんだけど、なぜか“懐かしい”』と、おっしゃる方が多いんです。鰹節、七味、マヨネーズなど、馴染みのある要素が多いせいかもしれませんね。がんもは是非、串のまま召し上がってください」(女将・橋本恭子さん)

  

コース最後の「甘味」はプリンです。

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コース最後の甘味は、クラシックな固めのプリンにしようということで、お二人の意見はまとまっていたのだそうです。濃厚で懐かしいザ・プリン!ですが、もちろんそれだけではありません。焦がしたカラメルの苦味と煎茶のクリームがプリンの甘さを引き立てます。クリームの上に乗っている甘漬けした茶葉がふっと香ります。

ちなみに、プリンが盛られた器は小鹿田焼。店では、それぞれ一人の作家に依頼した小鹿田焼と有田焼の器が使われています。

串に合わせたいお酒のラインナップも充実していますが、是非とも試していただきたいのが女将で酒担当の橋本恭子さんお勧めのオリジナルサワーです。

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 右:アップルジンジャー/「ブーダンノワール りんご」にお勧め。生姜を漬け込んだウォッカに山形の紅玉りんごジュースとりんごのガリを合わせたサワー。

「シャンパンや少しコクのあるビールとも合いますが、りんご繋がりで好相性だと思います」(橋本さん)程よい甘さを感じながらウォッカでキリッと引き締まります。女性に人気。

 中:すだち山葵/「がんも キャロットラペ」に。山葵を漬け込んだウォッカとすだちのサワー。わさびの風味はさまざまな香辛料にも合います。

左:カーブチ/「いわし レバームース」にお勧め。沖縄原産のみかん“カーブチ”とウォッカを使ったサワー。カーブチは豊かな香りと爽やかな甘みが特徴です。

「イワシの串には日本酒も合いますが、レバームースと一緒に味わうことを考えてお勧めしたいサワーです」(橋本恭子さん)

すべて¥1,000(税別)

丁寧な説明や対応など、“リラックスして楽しんでほしい”という思いを込めた串料理の世界に、私たちを存分に浸らせてくれるスタッフの皆さん。(左は女将で酒担当の橋本恭子さん)

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日本を代表する二人の料理人のレシピを形にして提供してくれるのは、二人が全幅の信頼を寄せる森田祐二さん。(写真左から二番目)

「二人のイメージを現場で形にすることはもちろん簡単ではありませんが、お客様にわかりやすく楽しんでいただける場にしたいです。お客様に“楽しかった”と言っていただけたときは本当に嬉しい。女将やスタッフと共に、頑張って盛り上げていきたいと思います」(森田さん) 

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森田さんの頭の中に描かれているたくさんの串料理のイメージが、メニューに加わる日もそう遠くはないかもしれません。楽しみですね。

コースの内容は、コースの内容は二ヶ月くらいで変わります。来店履歴のある方にはなるべく前回と違う料理を用意するようにしているそうです。

革新的なのに懐かしくて、驚きや発見もある串料理のコース。固定観念を取り払い、五感を解放して、その奥深くて楽しい世界に浸ってみてはいかがでしょう。

 

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【DATA】

デンクシフロリ
東京都渋谷区神宮前5-46-7 GEMS青山CROSS B1
☎︎03-6427-2788
12:0013:00入店(15:00閉店)
18:0019:30入店(22:30閉店)

休:月・不定休あり
※料理は8品の「おまかせコース」のみ。¥9,800(税・サ別)

予約はHPから。https://denkushiflori.com
4名以上での予約の場合は電話にて受付。
電話予約受付時間は、営業日の10:00 – 17:00

2020930OPEN
*新型コロナウイルス感染拡大防止対策の影響により、営業時間や定休日は変更する場合があります。

 

 

撮影:牧田健太郎 取材・文/齊藤素子 構成/松本朋子

 

 

 

 

 

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