モキチのブログ 「ひと皿」の向こう側

PROFILE

「モキチ」ことライター齊藤素子。銀座・泰明小学校卒業。OLやギャラリー勤務を経て、
1995年『VERY』創刊時にライター稼業を始める。食や旅のページを中心に雑誌やWEBで活躍中。
その一方で、世界初の腰痛専門WEBマガジン『腰痛ラボ』では編集長を務める。

イタリア料理の可能性を広げてくれる店/「ひと皿」の向こう側

Update : 2018.12.13
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イタリア料理とワインを楽しむカウンター席がメインのお店です。店名の「ALTRO」には、イタリア語で“そのほかの”とか“別の”という意味があります。では、何のほかで、どんな別なのか。
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イタリアの◯◯州の料理、〇〇地方の料理ということではない、もっと“別の”あるいは“そのほか”のイタリア料理が楽しめる。麻布十番の人気店【カラペティバトゥバ!】の“別の”店。兄弟店だけど、フレンチではなく“そのほかの”ジャンル=イタリアンの店。家に帰る前に気軽に立ち寄る家とは“別の”リラックスできる、もうひとつの場所でありたい。

大きくまとめると以上のような思いが込められています。

少し補足しますと、代官山【カノビアーノ】でシェフを務めていた榎大輔さん。ニンニクや生クリームを使わない【カノビアーノ】のスタイルに強く影響を受けたこと(その後3年間ニューヨークの【バスタパスタ】で経験を積む)、イタリア料理の基本は守りながら、自分が納得する味を追求したことで、イタリア・〇〇州の伝統料理というものとは“別の”の榎シェフスタイルのイタリア料理が供される。日本人の体質や好みにも寄り添う、ワインが進む料理。

榎シェフが【カノビアーノ】でともに働いた小池純平さんと一緒に店を作りたいね、ということになった際、2人がイメージしたのは【カラペティバトゥバ!】でした。小池さんは同店にサブマネージャーとして4年勤務。“別の”ジャンルの兄弟店として今年の8月にオープン。
「リラックスしていただいた方が、料理もワインもより美味しく感じられると思うので」(小池さん)

誌面でご紹介したのはこちらの料理。看板メニューの「ALTRO! ボロネーゼ 手打ちタリアテッレ 秋トリュフ」。ボロネーゼは榎シェフの大好物! かと思いきや、実はさほどボロネーゼ好きではなかったのだとか。NY【バスタパスタ】の料理長に「イタリアではボロネーゼに白ワインを使う地方もある」と聞いて、さっそく自宅で試作。最初は牛肉と鶏レバーをイメージしたものの鶏レバーが入手困難なため、代わりに砂肝とハツを使って豚肉も加えてみたら……「美味しい! これはいける!」となり、誕生した一品なのです。
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その上に必ず振りかけられるトリュフは、季節ごとのトリュフ。写真は秋トリュフですが、じきに黒トリュフに。8月にオープンしたときは、オーストラリア産の黒トリュフを使用していました。

「カステルフランコとゴルゴンゾーラのサラダ みかんのドレッシング」¥1,500(2名分2皿)
むしゃむしゃと食べるサラダです。北イタリアの野菜カステルフランコはラディッキオの一種で、ほどよいほろ苦さが特徴。葉っぱ一枚一枚にゴルゴンゾーラのクリームが塗ってあります。ほろ苦いカステルフランコに合わせて、みかんのドレッシングには、みかんの皮の内側にある、ちょっと苦味のある白い部分も加えてあります。松の実とピスタチオを散らして食感と風味もプラス。どこをむしゃむしゃっと食べても同じ味わいを感じられる甘苦酸っぱいサラダです。
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「キャラメルプリン」¥870
大人っぽいプリンです。老若男女、みんな大好きなプリン。これなら、私、2つはペロリといけると思います。ドルチェ担当、山口美穂さん、お見事です! 実はこれ、榎シェフと小池さんがニューヨークにあるイタリアンレストランで食べて「美味しい!」と感激したキャラメルプリンのイメージを山口さんに伝え、試作を重ねて完成したもの。「ニューヨークの店を超えましたね」(榎シェフ、小池さん)。上にはサワークリーム入りのホイップクリームとキャラメリーゼしたヘーゼルナッツがのっています。甘さ、ほどよい苦味、ちょっとだけ酸味もあって後味もスッキリ。是非、お試しを。
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大人気のフォカッチャは、山口さんが毎日焼いています。季節と日によって仕立てが少しずつ変わります。これはかぼちゃの種とローズマリーのフォカッチャ。生地にもかぼちゃが練りこまれています。おかわり必至の美味しさ。
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【カラペティバトゥバ!】のオーナー・長雄一さん方式に習ったユニークなワインメニュー。“海”“渋旨”“魅惑”……???「ぶどうの品種を書くよりも心に響くと思うんです。イメージしやすいし、ちょっと面白くて頼みやすい。ワインは大好きだけれど凄く詳しいわけではない、という方も多いのでそういう方も頼みやすいようにこのようなタイトルを付けています。特にイタリアワインのぶどうは、あまり聞いたことがない土着の品種も多いので。“海ってどういうことなの?”とか、気軽に聞いていただけますし、そこから話が弾むこともあり、お客様とコミュニケーションを取るのにも役立っています。まだまだ【カラペティバトゥバ!】の長には及びませんけど。だって向こうだと“青春”とか“初恋”なんていうものあるんですよ。なにそれ? って感じですよね(笑)」(小池さん)
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スタッフは3人。だから、本当はコースにしてペアリングを採用した方が楽なはず。でもグラスワインにこだわる。「今のスタイルのほうが自由度がちゃんとあって、そのほうがお客様に喜んでいただけると思うんです」(小池さん)。美味しい店はたくさんあるけれど、それに何か“そのほか”の要素をプラスしたい、普通に見えて実はほかではなかなかできないことをやりたいという強い思いが伝わります。

「フランチャコルタ ドサッジョ・ゼロ・ウノ」¥1,400
食前酒に。普段はシャンパンしか飲まないという方にも納得していただけるフランチャコルタがこちら。ミネラルがしっかりと感じられてキレがあり、料理や次のワインへと繋げやすい。
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【ライチ】「Jホフスタッター ジョセフ ゲヴェルツトラミネール」
「カステルフランコとゴルゴンゾーラのサラダ みかんのドレッシング」に合わせたいワイン。徐々に寒くなってきたので、キリッ! と爽やかというものよりも、辛口だけれどちょっと甘みも感じるこちらのワインと好相性。「実は、先にこのワインを見つけて、サラダに合いそうだなあと。美味しいワインを見つかったら、それに合わせて料理を考えることもあるんです」(小池さん)
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【エレガント】「バルバレスコ ラ・カ・ノヴァ」
「ALTRO! ボロゼーゼ 手打ちタリアテッレ 秋トリュフ」のボロネーゼ、トリュフの香りに合わせて楽しみたいワイン。しかし、濃厚な赤ワインを使ったボロネーゼではなく優しい味わいのボロネーゼなので、少し柔らかさのあるエレガントなバルバレスコを。
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右から、役者を志していたという過去を持つ小池純平さん、榎大輔シェフ、紅一点の山口美穂さん。リストランテ級の料理、自由度の高いグラスワインとともに、会話が弾む【ALTRO!】。確実にファンを増やしています。
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【ALTRO!】
東京都渋谷区広尾1-1-36 PASEO恵比寿3F/03-5962-7924
17:30~24:00(L.O.)、日休

撮影/牧田健太郎 取材・文/齊藤素子 編集/川原田朝雄

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筆者プロフィール:
「モキチ」ことライター齊藤素子。銀座・泰明小学校卒業。OLやギャラリー勤務を経て、1995年『VERY』創刊時にライター稼業を始める。食や旅のページを中心に雑誌やWEBで活躍中。その一方で、世界初の腰痛専門WEBマガジン『腰痛ラボ』では編集長を務める。

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