モキチのブログ 「ひと皿」の向こう側

PROFILE

「モキチ」ことライター齊藤素子。銀座・泰明小学校卒業。OLやギャラリー勤務を経て、
1995年『VERY』創刊時にライター稼業を始める。食や旅のページを中心に雑誌やWEBで活躍中。
その一方で、世界初の腰痛専門WEBマガジン『腰痛ラボ』では編集長を務める。

真っ当なフランス料理が気軽に食べられる/ひと皿の向こう側

Update : 2020.06.12
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小田急線・東北沢駅の近く。昨年11月にオープンした【ぎんきょう】は、一流の味をビストロスタイルで楽しむことができる店。

「コースで食べたあのひと皿を、気軽にワインとともに味わえたら……」そんなフランス料理&ワイン好きの方にお勧めしたい店なのです。
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シェフの沖江 展氏は、東京・芝公園の旧【レストラン クレッセント】に15年勤務、シェフ・ド・ソーシエを務めた方。2002年には東京・目白に【フランス料理GINKGO】を開店。席数が50数席というレストランは多くのフランス料理好きを唸らせて、地元の人々にも愛される人気店でしたが2017年に閉店。そして、2019年に場所を東北沢に移し、スタッフは家族3人、規模も目白の店の3分の1にして、“コンセプトはビストロ、料理はレストラン”というお店をオープンさせたのです。希少な店の誕生にシェフの英断に感謝、です。
店名の「ぎんきょう」は「GINKGO」と書き、フランス語で「イチョウ」の意(ちなにみ、英語、ラテン語、ドイツ語、イタリア語などでも同じ)。目白のお店の庭にあった樹齢140150年という二本の銀杏の木がシンボルツリーであったことから店名に。また、お店のシンボルマークとロゴは、彫刻家の佐藤忠良氏によるもので、銀杏の絵は鉛筆で描かれ、店名は筆と墨で書かれたものだそうです。とても素敵です。

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こちらは誌面でご紹介した「山口県萩直送 甘鯛・ウロコのパリパリ焼き キンキで取ったスープ・ド・ポワソン」(税別\2,900)。とても贅沢なひと皿。それぞれ主役を張れる“甘鯛”と“キンキ”の共演なのですから。花びらのように美しい衣をまとった甘鯛を、キンキを使ったとびきり上等で濃厚なスープのソースでいただきます。スープの決め手はサフランとペルノー。マダムに選んでいただいたワインとともに味わえば、南仏の海岸の潮風、パリの街の石畳、そして豊かな日本の海が香ります。

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こちらは「夏季限定 冷製・コンソメスープ“クラシック”(税別\1,400)

人気の「シェフのスペシャリテ・コンソメスープ“クラシック”」(税別\1,200)の夏バージョンです。

澄んだ琥珀色の美しいコンソメスープは、手間と時間をかけて作られる繊細なスープ。それだけでそのお店の実力がわかるとも言われます。

ジュレ状にして供される冷製は、塩味を強めるために少し煮詰め、少量加えたエストラゴンの酢漬けが、スプーンにのせて口に運ぶ際にふっと香ります。

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お肉料理から「豪産 仔羊キャレ(骨付アバラ肉)のポワレ・ペルシャードグラッセ」(税別\2,800)

仔羊の表面に付けられたパン粉、パセリ、ニンニク、タイムを細かくしたもの(ペルシャード)が仔羊の味わいを深め、爽やかさや風味もプラス。
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そして、ソースがまた素晴らしい。味のベースはフォン・ド・ボー。それに、マッシュルーム、オニオン、白ワインを加えて煮詰めてフォン・ド・ボー・リエに。さらに、白ワインとベルモットを加えて煮詰めてクレメ(クリームを加える)し、バターを溶かし込んで仕上げられた、滑らかで風味豊かなソースに「これこれ、このソース! 王道フランス料理!」と思わず笑顔に。

北海道・美瑛の生産者から取り寄せているというセルバチコとアスパラなどの野菜も生き生きとしています。
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この料理に合わせてマダムが選んだお勧めワインがこちら「ジュヴレ・シャンベルタン 2013 ラ・ジブリオット」(税別\9,900)。力強くて優雅なピノ・ノワールの味わいで、仔羊のひと皿がより一層、エレガントに美味しく感じられるはずです。

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【レストラン クレッセント】時代に、仏・リヨンの2つ星レストランで修行した際、食材の素晴らしさに驚いたと同時に、大切さも実感したことから「食材は一生懸命選んでいます」という沖江シェフ。

「そして、もう一つ大切にしているのはソース。いい素材といいソースがあれば、1+1は2ではなく、3にも4にもなると思っています」(沖江シェフ)

フランス料理の魅力は?
「一言で言うのは難しいけれど、多様性……でしょうか。いろいろな仕立て方、やり方があるのが魅力。例えば、お寿司のように一つのことをとことん突き詰めるというのももちろん素晴らしいと思いますが、フランス料理は、ありとあらゆることをしなくていけない。そういうのがフランス料理の魅力、面白さだと思っています」(沖江シェフ)

「今、料理をするのがとても楽しいんですよ」とおっしゃる凄腕のシェフ、ソムリエの奥様・朋子さん、そして、これからが楽しみな二十歳の次男・慶さん。

3人で営まれる小さな店は、真っ当なフランス料理を気軽に食することができる“凄い”店なのです。
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【ぎんきょう】
東京都世田谷区北沢3-2-18
☎03-6407-8304
営平日17:0024:00(L.O.23:00)/土・日・祝17:0023:00(L.O.22:00) 休火曜、第2・第4水曜
201911OPEN
※新型コロナウイルス感染拡大防止対策の影響により、営業時間や定休日は変更する場合があります。

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撮影/牧田健太郎 取材・文/齊藤素子 構成/川原田朝雄

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