モキチのブログ 「ひと皿」の向こう側

PROFILE

「モキチ」ことライター齊藤素子。銀座・泰明小学校卒業。OLやギャラリー勤務を経て、
1995年『VERY』創刊時にライター稼業を始める。食や旅のページを中心に雑誌やWEBで活躍中。
その一方で、世界初の腰痛専門WEBマガジン『腰痛ラボ』では編集長を務める。

ビュッフェで楽しむスリランカ料理/ひと皿の向こう側

Update : 2019.05.16
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新宿区の静かな住宅街に佇む小さなスリランカ……と、表現したくなる【バンダラ ランカ】。涙の形をした小さな島国・スリランカの風が感じられるような心地よい空間で、さまざまなスリランカ料理をビュッフェスタイルで楽しめるお店です。

テーブルには15種類前後のお料理が並びます。まず、お皿の中央にごはんを盛り付け、その周りを囲むように料理をのせていきます。
「ビュッフェスタイルなら、スリランカ料理は初めてという人でも、気軽にさまざまな料理を味わうことができます」(オーナー、LKMJ バンダラさん)

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こんな感じに盛りつけたら、ごはんと混ぜながらいただきます。いかがですか、美味しそうでしょう? もちろん、おかわりも自由。

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どの料理も日本人の好みに寄せることなく、できるだけ現地の味をそのまま再現したもの。野菜や肉は日本のものを使用しますが、要となるスパイス類はバンダラさんのご実家から送られてきます。

「ごはんとよく混ぜて食べてくださいね」。

数々の名門ホテルでの勤務経験があるバンダラさんが、丁寧な日本語でテーブルに並んだ料理の説明をしながら、優しく食べ方を教えてくれます。

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こちらは、スリランカの赤米“ケクルライス”。スリランカでは昔から力をつけるために朝食によく食べられているのだそうです。独特の食感と香りを持ち、スパイスの効いたカレーや炒め物と混ぜて食べるのに適しています。ごはんはもう一種類、タイ米を使ったイエローライスも用意されています。

スリランカカレーとインドカレーの最大の違いは?

「スリランカカレーはインドカレーのように油をたくさん使わず、ココナッツミルクをたっぷり使うところです」(バンダラさん)

レンズ豆を使った優しい味わいの“レンズ豆カレー”と、これぞスリランカカレーともいえるホットな“スパイシーチキンカレー”。どちらもお店の看板カレーです。

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カレー以外のスリランカのお惣菜も豊富です。こちらは定番的な一品。“ジャックフルーツのスパイス炒め”。繊維質が多くツナのような食感がくせになります。
ほかにも“大根のスパイス炒め”(スリランカでは大きなカブを使うそうです)、“じゃがいものホッダ”(スープ多めのカレー、かなり辛い)、“長ネギのテルダーラ”(長ネギをスリランカの鰹節・モルディブフィッシュと一緒に炒めたもの)、“春菊のマッルン”(春菊のココナッツ炒め)などなど、野菜を使った料理が並びます。

「お肉を使っているのはチキンカレーだけなんです。野菜をたっぷり使っているのでとてもヘルシーですし、使用しているスパイスそれぞれにさまざまな効能があるので、スリランカ料理は身体にとてもいのです」(バンダラさん)

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食後には美味しいスリランカ紅茶とデザートを。紅茶は、ウバ、キャンディ、ディンブラ、ウダプセワラなど、バンダラさんのチョイスにより、さまざま産地のものが供されます。スパイシーな料理を食べた後のスリランカ紅茶はまた格別です。
紅茶と一緒に味わうのはスリランカの定番的デザート。右は、ココナッツミルクにシナモンとカルダモン、ヤシの花の蜜を加えたプリンのような“ワタラッパン”。左は、ココナッツケーキ。

そして、バンダラさんはなんと、お店がある建物の屋上で養蜂をしています。

「紅茶に入れる蜂蜜を作りたいと思い、養蜂を始めました。意外に思われるかもしれませんが、ここは都心ですが新宿御苑をはじめ、周りに自然がたくさんあるのです。スリランカ紅茶に合いますよ」(バンダラさん)

まだまだ生産量は少ないので、通常の営業では提供していないのですが、この記事を読んだ方には「HERSWEBを見ました」と伝えれば特別にお試しいただけます。四季折々の新宿に咲く花の蜜を味わえるのはとても贅沢。自然を愛おしみ大切にするスリランカの暮らしを垣間見た気がします。

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店内でスリランカ紅茶を購入することもできます。

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心地よいテラス席の奥には見事な錦鯉が泳いでいます。

「錦鯉はとても美しいのに、たいていは上から見るだけでしょう? 横から見たらもっと美しいだろうと思ってこの水槽を作りました」(バンダラさん)

確かにまるで絵画作品のようで新鮮な驚きがあります。最近は海外からのゲストも多く、錦鯉はとても人気が高いそうです。気に入った方は購入することもできますので、バンダラさんにご相談を。

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本場の味を再現するスタッフの皆さん。右から、小川香織さん、佐久間奈津子さんはバンダラさんの奥様、オーナーのLKMJ バンダラさん。
バンダラさんは、スリランカのほぼ中央、上質な茶葉の産地としても知られるキャンディのご出身。2002年に来日し、「コンラッドホテル」「ザ・ペニンシュラ東京」などのホテルに勤務、「インターセクトバイレクサス」シニアマネージャーを経て、「故郷スリランカの料理や文化を広く知ってもらいたい」という思いから、201810月に【バンダラランカ】をオープン。
ちなみに【バンダラ ランカ】という店名は、スリランカとバンダラさんの名前を組み合わせたものだそうです。

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【バンダラ ランカ】
東京都新宿区大京町12-9 アートコンプレックスセンター1F
03-6883-9607
11:00〜14:00(ランチのみの営業)
紅茶・デザート付きで 平日:¥1,800、土日祝日:¥2,000
5名以上からディナー予約可能 ¥5,000
(今後、通常ディナー営業の予定あり)
月曜休み 201810OPEN

撮影/牧田健太郎 取材・文/齊藤素子 編集/川原田朝雄

 

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筆者プロフィール:
「モキチ」ことライター齊藤素子。銀座・泰明小学校卒業。OLやギャラリー勤務を経て、1995年『VERY』創刊時にライター稼業を始める。食や旅のページを中心に雑誌やWEBで活躍中。その一方で、世界初の腰痛専門WEBマガジン『腰痛ラボ』では編集長を務める。

 

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