人と人がつながる料理の代表格、鍋。簡単に調理できるからこそ、いつも味がマンネリになっていませんか? 鍋だからこその簡単さを残しつつ、いつものおうち鍋の材料がひと工夫で一気におもてなし鍋へと変化するレシピを提案します。
〝次の日に残らない女性受けする〆を選んで〟
山脇りこさん 料理教室「リコズキッチン」主宰。長崎の旅館で生まれ、もてなしの文化の中で育つ。著者『ノンオイル&10分でできる昆布レシピ95』は、グルマン世界料理本大賞2014でグランプリを受賞。近著は『酔っぱらってても作れる 10分間おつまみ』。
最後の〆が新しい鍋
〆は〝千切りキャベツ〟と〝春雨〟がちょうどいい。ガツンとした炭水化物系の〆とはまた一味違うさっぱりとした新しい味が魅力です。
野菜たっぷり、リセット沢煮鍋
<写真>
[材料4人分]
鶏胸肉・・・2枚(600gほど)
酒、酢・・・各大さじ1
A 白菜1/6個(400gほど)、にんじん1本、きゅうり2本、セロリ1本
エリンギ・・・2パック
えのきだけ・・・1パック
豆苗・・・1パック
しじみ・・・1パック(200gほど)
塩・・・小さじ1
しょうが・・・2かけ(20g)
キャベツ千切り・・・1/4個分、黒胡椒、ピンクペッパー、自然塩(岩塩など)・・・適量
[作り方]
1.胸肉は、繊維を断つように、うすくそぎ切りする。鍋に入れるまで、酒と酢をふりかけて冷蔵庫に入れておく(柔らかさを保つ効果があり。胸肉でもぱさぱさにならないように)。
2.Aの野菜はすべて千切りする(スライサーでもよい)。エリンギは石づきをとり、縦に細切りにする。えのきも石づきをとる。豆苗も根を切り落とす。
3.しじみは水につけて10分ほどおき、こすり合わせるように洗う。鍋に入れ、水1ℓと塩を入れて中火にかけ、沸いてしじみのふたがあき、スープが白っぽくなったら、しじみを取り出す(これがベースの出汁)。〆用に、このしじみスープを1カップ分ほど取り分けておく。
4.1と2を鍋に好きなように入れて、黒胡椒や岩塩をかけていただく。〆には、キャベツの千切りと取り分けておいたしじみスープを入れて鍋ぶたをし、10分ほどくつくつ煮てスープ仕立てでいただく。
<写真>「冬は根菜以外の野菜は不足しがち。スライサーを使えばラクですが、いかにもラクしている残念感はありません。キャベツはグルタミン酸たっぷりなので、旨みはさらにアップ」
豚と春菊の梅みぞれ鍋
[材料4人分]
豚しゃぶしゃぶ用肉・・・400g
春菊・・・2わ(300gほど)
しめじ・・・1パック
大根おろし・・・半本分(450gほど)
A 水800cc、出汁昆布20g、酒1カップ、梅干し2個
春雨・・・100g
タレ2種
●みかんぽん酢:全ての材料を合わせる。
みかん果汁・・・4個分(200ccほど) 醤油・・・100cc 米酢・・・大さじ2 ※酸味は好みで調整してください。
●梅ごまダレ:全ての材料を合わせる。
梅干し果肉・・・2個分(梅干しの果肉をたたく)
ねりごま・・・大さじ4 すりごま・・・大さじ4 豆乳・・・大さじ4 醤油・・・小さじ4
※食べるときに、鍋の煮汁を加えて調節する。
[作り方]
1.梅干しは軽くつぶしておく(種ごと使う)。鍋にAを入れて中火にかけ、70℃(ホットコーヒーくらいの温度)になったら、火を止めて、冷ます。
2.春菊は葉をとり、茎は小口に切る。しめじは石づきをとり2cm長さに切る。春雨は表示に従って戻す(ぬるま湯に10分ほどつけておく)。
3.1に再び火をつけ、70℃くらいになったら、肉、春菊、しめじ、大根おろしを入れて煮立ったら、好みのタレでいただく。〆には春雨を入れて。
<写真>冬場あまってしまいがちな〝みかん〟をポン酢に。ギュッと搾って、こぼれた果肉もそのまま加えるのがポイントです。プチッとした食感も美味しさを際立てます。
撮影/川上輝明 スタイリング/山脇りこ 取材・文/加藤登紀子 構成/中山佳奈子
※掲載中の情報は、2018年11月号掲載時のものです。
#つながるレシピ #特集 #おもてなし鍋