しっかりと時間をかけて作る日もあるけれど、それでは毎日がまわらない……。
とはいえ、時短料理は溢れているけれど、
ただただ短い時間で料理ができればいいと思っているわけではない……。
「なぜ」このやり方なら、10分で作れるのか?
「どこ」さえおさえていれば、味の要が守れるのか?
理由を知っていれば、レシピを見続けなくてもサッと作れるようになる。
料理研究家の上田淳子さんに、(ほぼ)10分で作るための、省いていい部分・守るべき部分、そして”発想の転換方法”を教えてもらうウェブ連載。
今回は韓国の定番料理『キムパプ(キンパ)』です。キムは「海苔」、パプは「ごはん」。つまり海苔巻きです。ごま油で味付けされているのが特徴。お店で購入する機会が多いと思いますが、家でパッと作るという選択肢もどうですか。お弁当にもぴったりです。
キムパプは、さまざまな具材がぎゅっと詰まっているのが特徴。ナムル、たくあん、甘辛く炒めた牛肉など…。具材の下準備が面倒だなと思う人も多いはず。具材の下拵えは、できる限りかんたんに。そして、上田流のキムパプ具材は、コンビニで材料が全部揃います。
ナムルを作る際、小鍋を出して、お湯を沸かして、野菜をさっと茹でて……。洗い物も増えるし、時間もかかってしまいます。たとえば、ほうれん草。スーパーマーケットやコンビニで売っている冷凍ほうれん草でじゅうぶんだと思います。にんじんは、スライサーでササッと。電子レンジで1分弱の加熱するだけで完成します。
キムパプの具材でよく見かけるのは、甘辛炒めした牛肉などでしょうか。ちょっとの分量だけのためにフライパンで炒めるのは面倒ですよね。そこで便利なのが、塩味のある「生ハム」「カニカマ」。あとは先程のナムル、たくあんなど食感が楽しいものを巻けばよいのです。
■キムパプ
【材料】6~8カット分
【作り方】
1.ごはんに塩とごま油を混ぜて冷ましておく。たくあんは半分に切っておく。
2.ナムルを作る。耐熱ボウルに冷凍ほうれん草とせん切りスライサーで細く切ったにんじんを入れ、ふんわりとラップをかけて600wの電子レンジで1分加熱する。取り出したら、水けをぎゅっと絞り、ボウルに戻してごま油、白すりごま、塩、好みでにんにくを入れてよく混ぜる。
3.海苔を縦に置き、ごはんを全体に広げて手で平らになるように押さえる。(広げた海苔の奥2cmほどは、ごはんを広げないようにしておく。)
4.3の手前側に具材を並べる。手前から海苔を持ち上げ、しっかりと具材を巻き込むようにくるりと巻き、巻き終わりを下にして、数分おく。もう1枚も同じように作る。1本を3〜4等分に切り分ける。
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【PROFILE】
上田淳子:料理研究家。スイスやフランスのレストランで修業を積み、現在の道へ。食育の活動も行う。著書多数。近著に『ラクするご自愛ごはん』(主婦の友社)がある。インスタグラム@ju.cook
撮影/大森忠明 文・構成/松本朋子