三重県北部、名峰・御在所岳の麓に位置する開湯1300年の歴史ある温泉地「湯の山温泉」に佇む「湯の山 素粋居」は、湯はもちろん、アートと建築、そして食にも注力した新しいスタイルのヴィラホテル。
建築・デザイン・アートの監修を手掛けたのは陶芸家・造形作家の内田鋼一氏。〝素のままでも美しい〟土、石、漆喰、木、漆、和紙、硝子、鉄の8つの素材をテーマに作られた12のヴィラの室内は、素材と関連づけた工芸品やアート作品、家具や照明などが設えられています。そして、なんといってもお楽しみは棟ごとに趣向を凝らした源泉掛け流しの露天風呂。湯はアルカリ性の単純温泉で、肌がすべすべになり、温もりも長く続く〝美人の湯〟です。
「ヴィラのテーマに合わせてご用意している辻口博啓パティシエ特製の焼き菓子も好評です。別のお部屋にも泊まってみたいと、チェックアウトの際に別テーマのお部屋を予約していかれるお客さまもいらっしゃいます」と、PR担当の浦嶌桃子さん。素材の違いで印象も変わりリピートしたくなる宿です。
「CHOSEKI」のリビング。厚みのある菰野石を積み上げるようにして仕上げられた石の壁により、静けさに包まれる心地よさが感じられます。石で設えられた本棚には、石をテーマにした書籍が並んでいます。
開口部に設えられた障子を通して柔らかな光に包まれる、和紙をテーマにしたヴィラ〝紙季SHIKI〟。紙が生み出す優しさと静けさに満ちた空間です。露天風呂のある庭の向こうには三滝川が流れます。
熟成肉の美味しさを直火で引き出す「HINOMORI」。監修はパリの1つ星レストラン「Restaurant PAGES」の手島竜司シェフ。敷地内にはそば切りやうなぎの店もあり、各店舗はそれぞれの料理に相応しい素材で建てられています。
建物の内外の壁に地元で採れる菰野石を大胆に使用したヴィラ「CHOSEKI」。木立の中、素材もデザインも異なる12のヴィラが並びます。
住所 三重県三重郡菰野町菰野4842-1
電話 059-325-6682(宿泊予約専用9:00~21:00)
客室数:ヴィラ12棟
一泊料金:1名¥57,000~(1室2名利用/2食付き)
撮影/Kentauros Yasunaga 取材・分/齊藤素子 構成/高田真莉絵
※2021年10月発売号掲載当時の情報です。