寒くなると、恋しくなるのは熱々のスープ。でも、いざ作ろうと思うと意外と面倒なもの。忙しい毎日にやさしく寄り添う、簡単に作れて食べごたえのある〝新しいスープ〟を料理研究家 前沢リカさんに提案してもらいました。
煮浸しと煮物の間のような、新しいスープ
野菜や乾物を主役にした、体にやさしい和食をいただける店として人気の「七草」店主、前沢リカさん。前沢さんが新しいスープとして提案してくれたのは、煮浸しと煮物の間のようなスープ。
「和食って、実は汁ものと煮物や煮浸しの境目があまりないんです。けんちん汁も、具材をもっと大きく切って煮汁を少なくすれば、お煮しめのような煮物にもなりますし、おひたしも汁を多くすればおすましのようなもの。発想次第で、定番のおかずもスープとして生まれ変わります。今回は、味噌汁では物足りない人のために、ボリュームのあるスープと、とことんシンプルな食材の味を堪能するスープを紹介します。どれもご飯が進む味付けです」
冬野菜の持つ魅力を一皿にぎゅっと凝縮。ゆずで味にメリハリを。
[ 材料 ](2~3人分)
鶏もも肉…1枚(約250g)
かぶ…1個
カリフラワー…80g
芽キャベツ…10個
ゆず…1/2個
A[水…800ml 昆布(5cm)…2枚 しょうが(薄切り)…3枚 酒…大さじ2]
塩、しょうゆ…各適量
[ 作り方 ]
1.鶏肉は余分な脂と筋を取り除き、食べやすい大きさに切る。かぶは皮をむいて12等分のくし形に切る。カリフラワーは1cm厚さに切り、芽キャベツは縦半分に切る。ゆずは4等分のくし形切りにする。
2.鍋に1の鶏肉、Aを加えて中火にかける。ひと煮立ちしたら火を弱め、10分ほど煮る。途中、アクが出てきたら除く。かぶ、カリフラワーを加えて5分ほど煮たら、芽キャベツを加えてさらに5分ほど煮る。
3.食材がすべてやわらかくなったら、塩、しょうゆで味をととのえ、ゆずを加えて火を止める。
【PROFILE】前沢リカ:東京・富ヶ谷の人気和食店「七草」店主。野菜や豆、乾物を使った滋味深い料理が人気。2年連続ミシュラン一つ星獲得。著書に『うちの乾物料理』(高橋書店)などがある。
Instagram:@ju.cook
撮影/相馬ミナ スタイリング/中里真理子 取材・文/高田真莉絵 構成/松本朋子
※2020年2月号の掲載記事より抜粋
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