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【レシピ】上田淳子さんの「いつもの料理を10分で」③ハンバーグ

Update : 2020.12.24
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しっかりと時間をかけて作る日もあるけれど、それでは毎日がまわらない……。
とはいえ、時短料理は溢れているけれど、
ただただ短い時間で料理ができればいいと思っているわけではない……。

「なぜ」このやり方なら、10分で作れるのか?
「どこ」さえおさえていれば、味の要が守れるのか?
理由を知っていれば、レシピを見続けなくてもサッと作れるようになる。

料理研究家の上田淳子さんに、(ほぼ)10分で作るための、省いていい部分・守るべき部分を教えていただきました。

もちろん、時間をかけて作るレシピは素晴らしいけれど、
日々の小さな幸せには、こういったレシピも必要だなと感じるのです。

Vol.3
ハンバーグ

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ハンバーグを家で作ろうとすると、まずは玉ねぎをみじん切りして、その玉ねぎを炒めて(もちろん炒めなくても)、パン粉を入れて、卵を入れて、捏ねて、焼いて、そしてソースも作って……。手が汚れて、洗い物も多くて……。見た目以上に面倒な料理と思う人も多いでしょう。

食べたいのは、ステーキほど噛まなければならない肉ではなく、ステーキほど濃厚な脂のある肉でもなく。
噛むとじゅわっと旨みが広がるほどける肉のかたまり。

そんな条件で10分ハンバーグを作っていきます。

ほぼ10分で作れるのには理由がある…!
おさえどころ・やめどころ

POINT 1
「玉ねぎ不要!牛ひき肉だけ」

玉ねぎのみじん切りも、パン粉も、卵も入れません。ひき肉だけで作る”ステーク アッシェ”という選択肢を持って。

「ステーク アッシェ」はフランス人にとってのハンバーグ。定番料理です。塩こしょうした牛ひき肉をハンバーグ型にして、焼き付けるだけ。
口の中で肉をほどけやすくするためにも、捏ねません。

”捏ねる””練る”というよりも”型にして、プレスする”感覚。決してひき肉の粒を潰さないように!

具材は牛肉だけ、しかもそこまで捏ねないので、手もさほど汚れず、ボウルなどの道具も使わずに済みます。つなぎを使わずに、肉だけで勝負するので、信頼できるお店で牛赤みひき肉を購入し、ミディアムくらいの焼き加減で食べることをオススメします。

 

POINT 2
「ソースは作らない」

「ステーク アッシェ」は、塩こしょう、そしてマスタードなどをつけていただくのが一般的です。もちろん好みで、大根おろしや、マスタードとケチャップを合わせたものも美味しいです。

焼く前にしっかりと、肉に下味をつけておくことが重要。ほんの少しのぱらっとふりかける程度ではなく、両面に思いっきり塩こしょうしたほうが、お肉の旨みが増します。

■ステーク アッシェ
【材料】 (2人分)
牛赤身ひき肉…250~300g
塩、こしょう…適量
サラダ油…大さじ1/2
ベビーリーフ…1袋
オリーブ油…少々
ワインビネガー…少々
マスタード(フレンチ、粒など)…適量
黒粗挽き胡椒…適量

【作り方】
1.牛ひき肉は2等分にする。それぞれ掌で挟んでぎゅっと押さえ厚み1~2㎝程度の型にして(決してひき肉の粒をつぶさないこと、練るのではなくプレスするイメージ、表面が平らであること)片面に塩(まんべんなくかかる程度)、こしょうをする。

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2.フライパンにサラダ油を引き、強めの中火にかける。フライパンが十分に熱したら、1の塩をした面を下にしてを入れ、表面も同様に塩、こしょうをする。触らずそのまま焼く。裏返して同様に焼く。

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※焼き時間の目安 :熱々のフライパンに入れるのが前提で 、肉の厚さ1cmなら裏表各1分程度。

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3.2を皿に盛り、マスタードを添えて黒粗挽き胡椒をかける。好みでサラダを。
今回は、ベビーリーフをのせて、ワインビネガーとオリーブ油を少量かけました。
※マスタード以外にもマスタードとケチャップを混ぜたものや大根おろしなどを添え和風仕上げでも。

【PROFILE】
上田淳子:料理研究家。スイスやフランスのレストランで修業を積み、現在の道へ。食育の活動も行う。著書多数。新刊は『ごちそうしたい、ほめられたい 実は簡単! ハレの日ごはん』(NHK出版)、『上田淳子のチキンスープ − 鶏肉=具材、スープ。簡単、本格的。』(グラフィック社)
Instagram:@ju.cook 

撮影/大森忠明 文・構成/松本朋子

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