寒くなると、恋しくなるのは熱々のスープ。でも、いざ作ろうと思うと意外と面倒なもの。忙しい毎日にやさしく寄り添う、簡単に作れて食べごたえのある〝新しいスープ〟を料理研究家 前沢リカさんに提案してもらいました。
煮浸しと煮物の間のような、新しいスープ
野菜や乾物を主役にした、体にやさしい和食をいただける店として人気の「七草」店主、前沢リカさん。前沢さんが新しいスープとして提案してくれたのは、煮浸しと煮物の間のようなスープ。
「和食って、実は汁ものと煮物や煮浸しの境目があまりないんです。けんちん汁も、具材をもっと大きく切って煮汁を少なくすれば、お煮しめのような煮物にもなりますし、おひたしも汁を多くすればおすましのようなもの。発想次第で、定番のおかずもスープとして生まれ変わります。今回は、味噌汁では物足りない人のために、ボリュームのあるスープと、とことんシンプルな食材の味を堪能するスープを紹介します。どれもご飯が進む味付けです」
ぶりと大根のスープ
定番の組み合わせを、体が芯から温まるスープに。せりの苦味がアクセント。
[ 材料 ](2~3人分)
ぶりの切り身…2枚(約250g)
大根…5cm
長ねぎ…10cm
せり…1/2束
だし汁…800ml
A[酒粕…80g 白味噌…20g しょうゆ…小さじ1]
ゆずの皮… 適量
[ 作り方 ]
1.ぶりは食べやすい大きさに切る。鍋に湯を沸かして火を止め、ぶりを入れ、そのまま15秒おいたら取り出し、ボウルに水を張ってぶりの表面をやさしく洗い、水けをきる。
2.大根は5mm厚さのいちょう切りにし、長ねぎは1cm幅に切る。せりはざく切りにする。
3.鍋にだし汁、大根を入れて中火にかけ、ひと煮立ちしたら火を弱めて5分ほど煮る。1、長ねぎを加えてさらに5分煮る。大根がやわらかくなったら、Aを加えて味をととのえる。
4.せりを加えて火を止め、器に盛る。ゆずの皮をすりおろして全体にふる。
【PROFILE】前沢リカ:東京・富ヶ谷の人気和食店「七草」店主。野菜や豆、乾物を使った滋味深い料理が人気。2年連続ミシュラン一つ星獲得。著書に『うちの乾物料理』(高橋書店)などがある。
Instagram:@ju.cook
撮影/相馬ミナ スタイリング/中里真理子 取材・文/高田真莉絵 構成/松本朋子
※2020年2月号の掲載記事より抜粋
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