寒くなると、恋しくなるのは熱々のスープ。でも、いざ作ろうと思うと意外と面倒なもの。忙しい毎日にやさしく寄り添う、簡単に作れて食べごたえのある〝新しいスープ〟を料理研究家 上田淳子さんに提案してもらいました。
いつものフライパンで作る、新しいスープ
フランスなどヨーロッパ各国で料理 の修業を積んできた、料理研究家の 上田淳子さん。
上田さんがフランスで教わった料理法の一つに、蒸し煮という調理法があります。
「フランスでは〝エチュベ〟と言われる、少ない水で蒸し煮にする調理法は、食材の旨味を閉じ込め、ふっ くらと仕上がるのが特徴。この調理 法なら、重い両手鍋なんてなくても、 いつものフライパンでスープが作れます。ポイントは必ず肉や魚などのたんぱく質と野菜を組み合わせること。たんぱく質に下味をつけておくと、煮汁に旨味が染み出て味がぼやけません。あえて薄めの味付けにして、仕上げに調整を。そうしておけ ば、煮詰まっても簡単にリカバリーできるので、気負わずに作れます」
牡蠣とかぶのクリームスープ
旬食材を合わせた冬のスープ。牡蠣は加熱後一度取り出し、ぷっくり食感をキープして。
[ 材料 ](2人分)
牡蠣…200g
かぶ… 3個
長ねぎ… 1本
白ワイン… 70ml
生クリーム(乳脂肪分40%以上のもの)…100ml
水…300ml
塩…小さじ1/3
こしょう… 適量
[ 作り方 ]
1.牡蠣は片栗粉小さじ1(分量外)をからめ、水でふり洗いをして水けをきる。かぶは皮をむいて6~8等分のくし形切りにし、長ねぎは斜め薄切りにする。
2.フライパンに牡蠣、白ワインを入れて中火にかけ、ひと煮立ちしたら蓋をして30秒ほど加熱する。牡蠣がぷっくりしてきたら一度取り出す。
3.2のフライパンにかぶ、長ねぎ、水、塩を加えて中火にかけ、ひと煮立ちしたら蓋をして5~7分、かぶがやわらかくなるまで蒸し煮にする。生クリームを加えて少し火を強め、1~2分、とろっとするまで煮立てる。2の牡蠣を戻し入れさっと火を通し、こしょうをする。
【PROFILE】
上田淳子:料理研究家。スイスやフランスのレストランで修業を積み、現在の道へ。食育の活動も行う。著書多数。新刊は『バターは調味料。ほんの少し使うだけでおいしくなる』(グラフィック社)。
Instagram:@ju.cook
撮影/野口健志 スタイリング/中里真理子 取材・文/高田真莉絵 構成/松本朋子
※2020年2月号の掲載記事より抜粋
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