寒くなると、恋しくなるのは熱々のスープ。でも、いざ作ろうと思うと意外と面倒なもの。忙しい毎日にやさしく寄り添う、簡単に作れて食べごたえのある〝新しいスープ〟を料理研究家 上田淳子さんに提案してもらいました。
いつものフライパンで作る、新しいスープ
フランスなどヨーロッパ各国で料理 の修業を積んできた、料理研究家の 上田淳子さん。
上田さんがフランスで教わった料理法の一つに、蒸し煮という調理法があります。
「フランスでは〝エチュベ〟と言われる、少ない水で蒸し煮にする調理法は、食材の旨味を閉じ込め、ふっ くらと仕上がるのが特徴。この調理 法なら、重い両手鍋なんてなくても、 いつものフライパンでスープが作れます。ポイントは必ず肉や魚などのたんぱく質と野菜を組み合わせること。たんぱく質に下味をつけておくと、煮汁に旨味が染み出て味がぼやけません。あえて薄めの味付けにして、仕上げに調整を。そうしておけ ば、煮詰まっても簡単にリカバリーできるので、気負わずに作れます」
鶏手羽とカリフラワーのスープ
食欲を誘う、クミンの香り。食材はごろっと大きめに、食べごたえのあるスープです。
[ 材料 ](2人分)
鶏の手羽元…6本(300g)、カリフラワー… 1/2株、玉ねぎ… 1/2個、バター… 10g、長ねぎ…1本
A【クミンシード… 小さじ1/2、にんにく(すりおろし)… 小さじ1/2、しょうが(すりおろし)… 小さじ1/2】
カレー粉… 小さじ1、水… 500ml、こしょう…少々、塩…小さじ1/2
[ 作り方 ]
1.手羽元は塩、こしょうをもみ込んで10分ほどおく。カリフラワーは小房に分ける。玉ねぎは薄切りにする。
2.鍋にバターを中火で熱し、溶けて泡立ってきたら1の手羽元を入れて表面に軽く焼き色がつくまで焼く。A、玉ねぎを加えて1~2分、しんなりするまで炒める。カレー粉を加えてさっとからめる。
3.2に水を加え、ひと煮立ちしたら塩小さじ1/2、こしょう少々(各分量外)を加え、蓋をして15分ほど煮る。カリフラワーがやわらかくなるまで5分ほど煮る。煮汁が少なければ水を適宜足し、塩、こしょう各適量(各分量外)で味をととのえる。
【PROFILE】
上田淳子:料理研究家。スイスやフランスのレストランで修業を積み、現在の道へ。食育の活動も行う。著書多数。新刊は『バターは調味料。ほんの少し使うだけでおいしくなる』(グラフィック社)。
Instagram:@ju.cook
撮影/野口健志 スタイリング/中里真理子 取材・文/高田真莉絵 構成/松本朋子
※2020年2月号の掲載記事より抜粋
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