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今だから、心に響く言葉②――HERSアーカイブから

Update : 2020.04.28
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バックナンバーからの名言集。
2回目は創刊3号・4号にあたる2008年6月号と7月号から。
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インタビュー連載「書きかけの履歴書」では、6月号で藤間紀子さんにご登場いただきました。
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松本幸四郎(現・松本白鸚)の妻にして、市川染五郎(現・松本幸四郎)、松本紀保、松たか子の母。
梨園の裏方として自宅と劇場を1日に4往復しながら、子供3人を育て、しかも4匹の犬の世話まで……。
そんな暮らしを振り返りながら、彼女は言います。
「私は常に真っ白でありたいんですね。自分から求めていく生きかたではなく、主人や子供たちから求められたときに、いつでも柔軟に対応できるような。妻として女性として、できるだけ真っ白な存在でいたいんです」
10年以上も前のインタビューですが、現在のご主人やお子さんたちの活躍ぶりを見ると、今もなお、真っ白に受け止めてくれる彼女の力が大きいのかもしれません。

前に出て光を浴びるのではなく、陰で、裏で、脇で、誰かを支える。
7月号で表紙を飾っていただいた仁科亜希子さんも同じようなことを語ります。
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「女優に復帰して思うのは、本当に上手な方々がたくさんいらっしゃるな、ということ。でも、そんな中、私は私でしかないのだから……月の輝き、ムーンパワーって素敵でしょ。そんな、月のような光を放つ女優になりたいんです」
26歳で芸能界から離れ、結婚、育児、闘病を経て、20年ぶりに女優に復帰した仁科さんは、冷静な目で周りを見渡しながら、これからの自分について考えていました。

創刊号から始まった連載のひとつに「贅沢の演出家たち」という企画がありました。
私たちが今では当たり前のように楽しんでいる文化や趣味、レジャーを初めて日本に広めた女性たちについて、掘り下げて取材したノンフィクション記事。ホテル、ファッション、料理、映画といったジャンルに分けて、既に故人となってしまった伝説的な人物に触れています。
6月号と7月号では、「パリからオートクチュールが来た日」と題して、元・西武百貨店パリ駐在事務所代表の堤邦子さんを2回にわたって取り上げました。
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何を成し遂げた女性かというと、日本に数多くのヨーロッパブランドを流通させた女性です。
まだ各ブランドの日本法人がなかった時代、1964年にオープンした東京プリンスホテルの【西武PISA】を通じて、エルメス、ルイ・ヴィトン、ソニア・リキエル、ヴァン・クリーフ&アーペルなどを紹介し、当時はパリにしかなかったイヴ・サンローランのオートクチュールサロンを東京に作り……等々。彼女がいなければ、私たちも一流ブランドに夢中になることはなかったでしょう。
1928年生まれの彼女の父は、西武グループ創業者で元衆議院議長の堤康次郎。
「女は飯を作り掃除をして洗濯をすればよろしい。学問も必要ない」という、
とにかく封建的な家庭環境に嫌気がさして、28歳の時にパリへ行く。
ほんの1、2週間の旅のつもりだったのが、そのままパリに居座り、1997年に亡くなるまでの40年間、結局2度と日本で暮らすことはなかったのです。
現実からの逃避の旅。たまたま一緒に行く人がいたから訪ねた街。志も期待もなく訪れたパリだったけれど、そこで彼女が感じたのは、
「通り過ぎる街でなく、住みつくための街」
だということ。
今でこそ、<暮らすように旅をする>などと言ったりしますが、1950年代にその境地で旅をし、また実践した堤邦子さんはやっぱりすごいですね。
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そして、パリに生活していく中で彼女はこう考えます。
「どういうふうに暮らしていくか。そこからまず考えていかないと、暮らしと着るものとの呼吸がぴったりと合わないと思う」
パリには、決して華やかな暮らしだけがあったのではなく、日常のさまざまな苦悩や喜びが流れ続け、ひとりの人間として生きていくことの重みを肌で感じたのでしょう。

パリを感じ、そこで自分の生き方を考えながら日本にパリの文化を発信していった堤邦子さん。
パリ行きを勧めた彼女の1歳年上の兄・堤清二さん(作家[辻井喬]としても活躍/取材後の2013年に86歳で没)が当時、取材に答えています。
「僕は知識と感性を別々に考えるのは間違いだと思っています。感性になっていない知識など何の意味もない。僕は彼女から随分といろいろなことを教わりました」

前回の記事はこちら。

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構成・文/川原田朝雄

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