【HERS à table】料理家・真藤舞衣子の「美味しい」を選ぶ目⑮

Update : 2021.12.25

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料理家・真藤舞衣子さんが、日々の生活で見つけた
料理をより楽しく！　おいしい！ものにする“食材”を紹介する連載。
食材とそれを使って作るひと皿を真藤さん目線で伝えていきます。

Vol.15
発酵のチカラ、浜納豆

よく滋賀や京都のほうまで長距離ドライブをするのですが、その時に休憩で立ち寄るのが浜松サービスエリア。
そこで必ず買うのが、ヤマヤ醤油の「浜納豆」です。
程よい酸味と塩味に生姜の風味……。
眠気覚ましとして、１粒。
シャキッと元気にさせてくれます。

「浜納豆」をよく食べていると言うと、
え？甘納豆？甘いの？とか、
あのねばねばの納豆？とよく聞かれますが、
浜納豆は見た目も味もまるで豆豉のよう。
中国から日本の寺院に伝わって作られたのが元祖と言われています。

以前、私が１年お世話になったお寺では、「大徳寺納豆」と呼んでいたり、
その他に一休寺納豆、唐納豆、寺納豆、塩辛納豆など地域によって呼び方が異なります。

作り方は豆豉とほぼ同じですが、
北海道産の大豆を蒸して糀菌をつけて発酵させ、塩水の中で１５ヶ月間も熟成させます。その後、天日干しをして、長崎・熊本産の生姜を和えたものがヤマヤ醤油の浜納豆。

この生姜のアクセントがたまらないので、毎回サービスエリアに立ち寄っては、浜松方面で降りていないのに、お土産としてお友達に配っています。笑

滋味深く、ほのかな酸味、発酵の旨みがぎゅっと詰まった浜納豆。
そのままおつまみとして食べるのはもちろんのこと、調味料としても万能なので、簡単なおつまみレシピをご紹介します。

カッテージチーズ和え

カッテージチーズに浜納豆を和えるだけ、これにオリーブオイルや鰹節をかけてお酒と一緒に……。
うーん、たまらない！

そして炒め物にもよく使うのですが、今回はアスパラガスとジャガイモの浜納豆炒めを作りました。

アスパラガスは斜め薄切り、ジャガイモは皮を剥いて細切りにし、水にさらして水けを切ります。好みのオイルと刻んだ浜納豆、アスパラガス・ジャガイモを入れて炒めるだけ。
浜納豆のおかげでぐっと旨みが増します。
野菜だけではなく、お肉や魚、その他パスタなど。
豆豉と同じように使えますので、ぜひ試してみてください。

「浜納豆」は江戸時代から伝わる完全無添加の発酵保存食であり、健康オタクだったと言われる家康公も好んでいたとか。浜名で作られていたことから「浜名の納豆」と呼ばれ、そこから「浜納豆」という名前になったそうです。

保存食にもなることから、戦にも武将たちが持参していたのでしょうか。
余計なものを何も加えないシンプルさ、
そしてこだわりの原料で作られた発酵食品で、腸内環境を整える手助けもしてくれます。

何と言っても昔ながらの製法をずっと守り続けて作られる浜納豆。
この文化がいつまでも長く伝わっていくと良いなと思います。

【データ】

ヤマヤ醤油
浜納豆　１袋（８６ｇ）￥４６０
https://ymy.co.jp

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