『スッと立っているだけなのに靴の写真』
座ったり、靴に手を伸ばしたり、するんですよね、靴の写真って。
でも、この写真は立っているだけ。
それが成立しているのは、靴以外をワントーンでコーディネートしたことと、
そのトーンがテーブルクロスのトーンと同じだったこと、
それに、背景にある絵画の色調です。
このコーディネートをこの場所で撮ろうと決めたのは、たぶんカメラマンでしょうから、
もう絵作りはできていたんでしょうね。
靴の色と絵画の色とが引っ張り合っていて、絶妙な緊張感です。
コーディネートの中の主役は靴。絵の中の主役は牛(水牛?)。
この2つが同じ色。牛の背後の真紅が助演男優賞ってところでしょうか。
モデルさんが特別なポーズをとっていないことが
「私たちにとって、パンプスを履くのは普通のことなの」感を
強調しています。しかも、ちゃんと“きちんと”して見えます。
タイトルもサブタイトルもしっかり表現されているんです。
こういうテーマのファッション写真のお手本と言えます。
すごくうれしい写真でした。
では、また。