『実例ページの実例度』
好評連載中の『「住み替える」「暮らし変える」私の決断と今』。
現在、読者の方がお住まいのご自宅に伺って撮影するという、
カメラマンにとっては結構ハードルの高い現場であります。
【実例(ドキュメント)】ですから、あるがままに撮っていく作業にはなるのですが、
誌面になったときにエンタテインメントになっていないとしょうがないわけで。
演出してはいけないけれども、見せ場は作りたい……。
ギリギリを狙っての撮影なわけです。
主人公のお二人が暮らすご自宅では、このような瞬間は、
まず無いに等しいと思われます。
トイレのスペースを挟んで親子が見つめ合っているんですから。
でも、無くは無い。
お母さんの体調を気遣う娘さんが考えた間取りを、端的に表現した傑作です。
しかも、お二人の大人同士の関係性もとらえています。
場所が場所だけに、ドカ~ンと大きくは使えなかったのですが、
この写真があることによって、左側ページの人物が写っていない写真にも
人のぬくもりが感じられ、家具売り場や住宅展示場とは違った匂いがするのです。
それにしても、弊社では昔から【実例】っていう言葉を使っていますが、
読者の方たちは、この言葉の意味を知っているんでしょうかね。
決して一般的に使われている言葉ではないと思うのですが……。
はてさて。
では、また。