2016年、ブルガリを象徴する蛇のモチーフ「セルペンティ」に焦点を当てる巡回展は、イタリア・ローマから始まりました。開催中の東京展会場には、ヘルムート・ニュートン、ロバート・メイプルソープによる蛇をモチーフにしたオリジナルプリントや、著名なフォトグラファーたちの作品のほか、国内外のアーティストによる様々なアート作品も展示されています。そしてもちろん、1940年に誕生した「セルペンティ」の歴代ウォッチや、東京展のために特別にデザインされたジュエリークリエーションもディスプレー。華麗かつ独創的に進化を遂げた「セルペンティ」ジュエリーの華麗な姿を見ることができます。鑑賞し終わったら、会場内に特別に設けられるブルガリのカフェで、スペシャルドリンクやフレーバー豊かなチョコレートも味わってみてください。
展覧会のために来日した、ブランド ヘリテージ キュレーターのルチア・ボスカイニさんにお話を伺いました。
――ブルガリにとって「セルペンティ」のモチーフが象徴するものとは?
ボスカイニさん(以下、B):蛇が脱皮によって変容しても中身は変わらないように、ブルガリの「セルペンティ」も定められたブランドのコードに則しつつ、常に進化を遂げてきました。それは、女性の才能を賛美するブランドのアイコンとして常に人を惹きつける魅力を持つ、真の多様性を秘めた存在と言えるでしょう。「セルペンティ」は誕生初期の様式から、エナメルの鱗があしらわれた近年のデザインに至るまで、いつの時代にもインスピレーションソースとなってきたコレクションなのです。
――最新コレクションの特徴は?
B:最新のモデルでは、瞳に貴石を施したスネークヘッドが、この力強い生き物をモチーフとするペンダントやイヤリングの主役となるように、魅惑的な鱗の繊細なディテールにフォーカスしています。
「セルペンティ」ブレスレット[WG×EME×DIA]¥7,260,000
――モチーフとしての「セルペンティ」の魅力は?
B:腕に絡まる「セルペンティ」のジュエリーは、それを纏う女性との一体感を生み出します。その女性のカリスマ性を引き立て、更にその存在感をも高めるはず。
「セルペンティ トゥボガス」ブレスレットウォッチ
イエローゴールド、1972年
ブルガリ・ヘリテージ・コレクション
――本展では、ジュエリーだけでなく、様々なアーティストの作品も多数展示されますが、どんな作品ですか?
B:ニキ・ド・サンファル、キース・ヘリング、アレクサンダー・カルダーなど、蛇にフィーチャーしたクリエーションで知られる、著名なアーティストの作品や、蛇が象徴的で美的価値のあるアートピースの展示を希望し実現しました。
キース・ヘリング、USA 19-82、1982年
リトグラフ
キース・ヘリング財団、ニューヨーク
©Haring Foundation
――東京展だけのユニークな仕掛けがあるそうですが?
B:はい、東京展では荒木飛呂彦、小谷元彦、河合美咲や天童屋尚といった素晴らしい日本人アーティストへの賛美を贈ります。蛇というテーマのもと、独自の素材を使用した彼らの作品に、アーティストの芸術に対する概念や尊敬の意を改めて感じ取ることができます。
荒木飛呂彦
「康穂と由花子,2017」
墨(墨汁)とリキテックス カラーインク
アーティスト提供、日本
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
――この巡回展で最も伝えたいことは。
B:本展では、ブルガリとその魅惑的なモチーフである蛇との普遍的な絆を確信していただきたいですね。また、本展ではジュエリーとアートとの繋がりを強化しています。実際、本展は蛇が持つ多面性や新たな魅力を引き出し、さらには今まで蛇を苦手だと感じていた方には蛇の芸術性、カラフルでジョイフルな姿を見ていただける、素晴らしい機会となると確信しています。
ブルガリ「セルペンティ」ネックレスのオリジナル(ラブラムコーラル、エメラルド、オニキス、ダイヤモンド)
※今回日本での「セルペンティフォーム展」のために制作された特別デザイン
ブルガリ・ハイジュエリー・コレクション
取材・文/齊藤素子
『ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン』
会期/11月25日(土)~ 12月25日(月)
会場/六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52F
お問い合わせ/☎03-6406-6652(10:00〜20:00)
開場時間/10:00〜23:00(最終入場22:30)
金・土・休日前日は〜25:00(最終入場24:00)
展望台入場料/一般¥1,800、高大生¥1,200、4歳〜中学生¥600、65歳以上¥1,500
開催期間中は無休です。