連載&レコメンド

【HERSエンゲイブ】野菜の花見シーズンです!

Update : 2019.05.10
keyword:

4月、5月といえば園芸シーズン真っ只中。土作りをして、種を播き、あるいは苗を植え付けて――楽しくて忙しい栽培のスタート時季です。

なのですが、一方で、畑の現場では別の楽しみもあります。

それは、花屋さんではあまり見られない野菜の花々を観賞すること。この時期に花をつける野菜は、主に3つのカテゴリーに分かれます。

①秋に種を播き、苗の状態で冬を越して、この季節になると急にぐいぐいと育つマメ科の花。

②同じく秋に種を播くアブラナ科の野菜。本来であれば花が咲く前に収穫するべき野菜のはずが、収穫されることなく畑に放置され、花を裂かせるに至ったもの。(前回の記事ではキャベツの花について触れました)

③ハーブ類を含めた野草系。寒い冬を乗り越え、気温が上がった春に反応して花を咲かせるもの。

まずは①から。

マメ科というと、枝豆、インゲン、エンドウ、ソラマメが日本ではメジャーです。「枝豆=大豆」は夏に食べることが多いので「マメは暑さに強い夏のもの」と思っている人も多いかもしれませんが、エンドウとソラマメは寒さに強くて、暑さに弱いのです。晩秋に種を播き、真冬の厳寒期を乗り切るように育てれば3月あたりからぐいぐいと育ちます。

まず先に花を咲かせるのがソラマメ。小生の畑では39日の段階で既に開花。

IMG_0810

3月末には紫がかった花も。この時季には完全に咲き誇っています。

 IMG_0983

そして4月の初めになるとエンドウも花をつけました。エンドウの花はマメ科の花の中でも最も美しいと言われているとか。

 IMG_1106

どアップで見るとキレイですが、エンドウの株は、実際には収拾がつかないほどに延びまくっています。

 IMG_1278

そして、②のアブラナ科の花。こちらは、のらぼう菜の花々。

IMG_1311

のらぼう菜は、私の住む多摩地方特産の‟江戸野菜”です。まあ、ほとんど菜の花と同じと思っていただいてかまいませんが、収穫時期が長く、茹でても炒めても美味しくて使いやすいので、最近は家庭菜園でも大人気。

収穫しました。

IMG_1614

花は小生宅のトイレに生けてみました。前回紹介したキャベツの花にそっくりです。

IMG_1665

蕾の部分は、葉や茎と一緒に、おひたしにして食べました。

IMG_1473改

菜の花と同じような味ですが、茎がシャキシャキとしていて食感も最高です!

次に、こちらもアブラナ科。ブロッコリーの花です。

IMG_1631

のらぼう菜やキャベツよりも少し淡い黄色い花。ここまで咲き乱れると圧巻です。

 アブラナ科というと、忘れてはならないのがダイコン。

収穫せずに放置すると、地上部はこんなに成長します。

IMG_1638

そして、なんとも清楚な花を咲かせます。

IMG_1635

小生は、アブラナ科の野菜の花の中でも、ダイコンの花がいちばん好きです。根っこはあんなに太くてダイナミックなのに、花はとっても可憐で美しいですよね

10年ぐらい前、石川さゆりさんが「だいこんの花」という歌をリリースしました。

 

♪健気に咲いてる だいこんの花も 明日は明日の 陽が昇る

人生って 人生って 棄てたもんでもないですね

 

それから1960年代生まれの人なら覚えている人がいるかもしれませんが、70年代に『だいこんの花』というTVのホームドラマもありました。脚本は向田邦子、主役は竹脇無我。

 

おっと、話がそれちゃった……。

続いて、③のハーブの花。

こりゃなんだー?

IMG_1633

コリアンダーの花です。

花が咲く頃には、葉っぱの味は落ちてしまいますが、この後に実(コリアンダーシード)が収穫できるので観賞後にも利用できます。

そういう意味ではこのディルも同じ。こちらは小生の自宅ベランダから。

IMG_1687

小生の自宅ベランダでは、ディルが1年じゅう育っています。

毎回種を播いているのではなく、こぼれ種が随時、発芽し、そのまま成長していきます。

大きな花ではないけれど、空に向かって花火のように咲くので、私は「花火花(はなびばな)」と勝手に呼んでます。

あ、①②③のカテゴリーに入らない花もありました。

こちらシュンギクの花。

IMG_1632

確かに菊の花ですが、どちらかというと、マーガレットっぽい花なんですね。

それからこれは野菜ではないですが、柚子の花。

IMG_1682

柚子はおびただしい数の蕾を付けますが、花が咲く前に多くの蕾が落ちてしまいます。さらに開花しても、実を付ける前にほとんどが落ちてしまいます。

ベランダで5年以上育てていますが、まだ一度も結実したことがありません……。

 「桃栗3年、柿8年」と言いますが、続きがあるのは知ってますか?

「桃栗3年、柿8年。柚子の大馬鹿18年」と言うらしいです。

地道にがんばります。

 

取材・文・撮影/川原田朝雄

 

NEW ENTRY

  • 2022.10.12

    京都の食リストを整えなおす

  • 2022.10.12

    京都から持ち帰る、インテリアのヒント

  • 2022.10.12

    「京都の時間」をともに過ごしたいバッグ

  • 2022.10.12

    HERS秋号の特集は、「京都の時間」

  • 2022.07.18

    HERS×NORD CADRE コラボウェア「気楽に、気軽に・・・

  • 2022.07.12

    細川亜衣さん、いつもの食材を新たな視点で