季節も良くなってきたので、‟HERSエンゲイブ”再始動します。
今回は、キャベツについて。
キャベツはフランス語で「chou(シュ)」と言います。
そう、‟シュークリーム”の「シュー」であり、ヘアアクセサリーの‟シュシュ”の「シュ」もキャベツから来ているのです。確かにどちらも形状がキャベツに似てますよね。
実が締まった普通の冬キャベツより、ふんわりとした春キャベツのほうが似てる。そんな春キャベツを作りたくて、小生は昨年の夏に苗を植えました。
ホームセンターでキャベツの苗を買い、畑に植え付けたのが8月12日でした。
植え付ける直前は苗のポットをバケツの水に浸して十分に水分を与えます。
そして、苗をポットから取り出し、根に付いている土をなるべく取り除きます。
次に、ハサミで根っこを3分の1ぐらい切り取ります。これは、私の園芸の師匠である故・永田照喜治氏から教わった大胆な植え付け方。ただ、確かにこのほうが、植え付け後の土に根が馴染みやすく、めきめきと成長するのです。
畑に植え付けます。なるべく根が広がるように。そして、あまり土の中に埋もれないように浅く土をかぶせて人差し指と中指でギュッと押さえつけます。
植え付け直後は、クタッとしちゃってもうダメかも、と思うぐらい弱弱しい……。害虫や風邪から守るため、ネットで保護します。
1週間後。枯れてきたような気がする。もうダメかな……。キャベツごめんなさい。小生と知り合ったばかりに……。
と思いきや、9月頭には少し元気になってきたかも! キャベツは強い!!
この時点で、根本に土を寄せます。これ、すごく大事な作業です。
植え付けから1か月後。元気、元気! この時点でさらに土寄せします。
9月23日。な、なんと……。虫に食べられています。ネットをかぶせていてもダメだったか。
ただ、この段階での処置が大事です。葉っぱをめくって調べてみると、いた、いた、イモムシ。キャベツの害虫というとモンシロチョウの幼虫「アオムシ」が有名ですが、こちらは「ヨトウムシ」という蛾の幼虫です。夜に活発に活動するので‟夜盗虫”です。ネットをかぶせておけば大量発生するわけではないので、ここで取り除いておけば大丈夫。
ほうら。その1か月後には、ちゃんと結球してました。順調、順調。
と思っていたらば。11月11日。
な、な、な、な、なんと。キャベツがパックリと割れてるじゃあーりませんか。唖然!
ヨトウムシに食べられた? でも、そのわりには裂け目が真っすぐだし、ヨトウムシの気配はありません。
ハクビシンに食べられた? でもネットをかけていたからそれは無理なはず。
いろいろと調べてみたところ、乾燥が続いたあとに雨がたくさん降ると、急に水分を吸収してキャベツが割れたりするのだそうです。
食べられないわけではないのですが、中身はこのようにちょっと汚れています。
5玉のキャベツを育てていたのですが、3つは割れてしまいました。2つは順調に収穫。
そのうちのひとつがこちらです。コリアンダーと大根も一緒に。
これを収穫したのは12月16日。ふんわりとした春キャベツを目指したのですが、植え付けが早かったせいか、実の詰まった冬キャベツになりました。
本当に春キャベツを栽培するのであれば、植え付け時期をもっと遅らせて、10月ごろにすべきだったようです。ただ、小生のように趣味で家庭菜園に取り組んでいるようなレベルでは、冬キャベツのほうが作りやすいようです。
そして、3月2日撮影。
裂球した3つのキャベツのうち、ひとつは興味本位でそのまま育てています。食材には向きませんが、植物としてはちゃんと育っています。割れた中からもうひとつのキャベツのようなものが出てきて、おそらくこの後、茎が出て花がつくのでしょう。その結果はまたお知らせしますね。
最新号のHERS4月号本誌でも「春キャベツ 10の料理法」というページがあります。とっても美味しいレシピがいくつか紹介されていますので、ぜひご覧ください。
取材・文・撮影/川原田朝雄