寒くなると、恋しくなるのは熱々のスープ。でも、いざ作ろうと思うと意外と面倒なもの。忙しい毎日にやさしく寄り添う、簡単に作れて食べごたえのある〝新しいスープ〟を料理研究家 前沢リカさんに提案してもらいました。
煮浸しと煮物の間のような、新しいスープ
野菜や乾物を主役にした、体にやさしい和食をいただける店として人気の「七草」店主、前沢リカさん。前沢さんが新しいスープとして提案してくれたのは、煮浸しと煮物の間のようなスープ。
「和食って、実は汁ものと煮物や煮浸しの境目があまりないんです。けんちん汁も、具材をもっと大きく切って煮汁を少なくすれば、お煮しめのような煮物にもなりますし、おひたしも汁を多くすればおすましのようなもの。発想次第で、定番のおかずもスープとして生まれ変わります。今回は、味噌汁では物足りない人のために、ボリュームのあるスープと、とことんシンプルな食材の味を堪能するスープを紹介します。どれもご飯が進む味付けです」
スペアリブと里いも、れんこんのスープ
[ 材料 ](2人分)
スペアリブ…3~4本(約300g)
里いも…2個
れんこん…5cm
A[水…1000ml 酒…100ml 昆布(5cm)…1枚 しょうが(薄切り)…3枚]
ナンプラー…小さじ2
香菜… 適量
[ 作り方 ]
1.鍋に湯を沸かし、スペアリブを3分ほどゆでて取り出す。
ボウルに水を張り、スペアリブの表面をやさしく洗い、水けをきる。
2.里いもは皮をむいて食べやすい大きさに切り、塩小さじ2(分量外)をまぶし、表面をこする。
流水で洗って水けをきる。
れんこんは皮をむいて食べやすい大きさの乱切りに、水に2分ほどさらして水けをきる。
3.鍋にA、スペアリブを入れて中火にかけ、ひと煮立ちしたら火を弱めて20分ほど煮る。
途中、アクが出てきたら除く。2を加えて、具材がすべてやわらかくなるまで15分ほど煮る。
4.ナンプラーで味をととのえ、器に盛る。ざく切りにした香菜を添える。
【PROFILE】前沢リカ:東京・富ヶ谷の人気和食店「七草」店主。野菜や豆、乾物を使った滋味深い料理が人気。2年連続ミシュラン一つ星獲得。著書に『うちの乾物料理』(高橋書店)などがある。
Instagram:@ju.cook
撮影/相馬ミナ スタイリング/中里真理子 取材・文/高田真莉絵 構成/松本朋子
※2020年2月号の掲載記事より抜粋
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