『ロケ地は台地』
今月は、上手・下手というレベルの話ではありません。
この写真が撮られたのは、なんと山口県の秋吉台!
北欧ミステリと言えば、インドリダソンの『湿地』に代表されるように、
寒いとか、湿気とか、そういう空気感が全篇に漂う文章が特徴のひとつ。
石灰石が並ぶ渇いた台地をロケ場所に選ぶとは、
かなりのひねくれぶりです。
ただし、ここで本を撮影すると編集者が決めた時点で、
カメラマンは「絶対ものにしてやる」とやる気になったはず。
いつもの“小道具で雰囲気を出す”という方法よりは
本自体に目がいくようになっていると思います。
ただ、いかんせん天気が良すぎて、北欧っぽくならなかった……残念。
ファッション写真でよく見かけるんですが、
この人は今ここで何をしている、何をしようとしているかが
分からない写真が結構あります。
「んっ?」って立ち止まらせるために意図的にならいいのですが、
そうでないとしたら、それを見た人は通り過ぎてしまいます。
考えに考えないと、人は振り向いてくれません。
自戒を込めて。
では、また。